ちかくてとおい

死に損なったあなたを見つけて、ぎゅうと抱きしめた。

両うでで包みこんで、あなたの実在をたしかめる。

少しゴワッとした、でもしなやかな髪質を手に感じながら、もう一生あなたを忘れないように。

手のひらが眼になる。確かなあなたの感触。

これが夢だと気づかなかったのは、このたしかな感触のせい。

夢の中で目をとじてしまったからかなあ。


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