地球について

このあいだ、理論物理学者の佐治晴夫さんという方の 『この星で生きる理由 -過去は新しく、未来はなつかしく- (アノニマ・スタジオ)』 を読みました。なんだかタイトルが、、、怪しい! のだけど読みました。
この本を読んで驚いたのは、わたしは日本人なのに日本に四季がある理由を知らなくて、地球人だけど月が地球に寄り添っている理由も知らなかったことでした。これは大変なことだ。。。そう思ったのでみなさんにも共有しようとし思います。。  もしかしてもう知ってる?

むかしむかし、できたてほやほやの地球におっきめの天体が衝突し、地球のカケラが宇宙に飛び散りました。でも地球が持つ引力や、地球の外側の遠心力により、カケラは互いに集まりあい、一つの塊になったそうです。
そう!それがmoon!月。 わーーーーーお。
そう!なんと月は地球のカケラなのです!月は地球なのです!地球は月なのです。(三段論法の敗北)。

月が誕生したおかげで海では潮の満ち引きが起こり、地球の自転速度が大幅に抑制されて、1日が24時間になりました。
月が誕生する前の地球はなんと1日8時間の速さで自転していたらしい。そうすると地上では風速400mの風が吹く!
どのくらいの風なのかピンとこないけれど佐治さん曰く、ダンプカーも岩石も吹き飛んで、風の音しか聞こえないので言葉(音)によるコミュニケーションはありえず、聴力は衰退し、音楽はもちろん生まれなかったらしい。ぬあー。 月ー。

そして、天体衝突によるサプライズは月の誕生だけでなく、日本に四季も与えてくれました。天体の衝突により、地球の自転軸が23.5度も傾いたからです!!うおー〜ー!理科の授業で地球が23.5度傾いていると習った記憶が頭の片隅でゴニョゴニョしている!

この本の著者である佐治晴夫さんは理論物理学者でありながら詩や音楽を嗜み、天文学を愛するおじいちゃんです。そのさまざまな知識にユーモアを織り交ぜながら、わたしたち人類が地球の一部分として生きている(生かされている)こと(事実)を目の前にそっと置いといてくれるやさしいおじいちゃんでした。

そうだ、この本を読んでうれしかったのは、数学的、物理学的な内容の中に意図的に、美術に通じるうつくしさが秘められていることでした。佐治さんは現代物理学の巨人、量子力学を確立させたハイゼンベルク博士にお会いした際にこんな言葉を受け取ったそう。

「部分の中にこそ、全体があります。」

佐治さんの宇宙研究人生に大きい影響を与えたこの言葉は、わたしには美術・芸術にも言えることのように感じました。というか、宇宙と美術、物理学と美術、天文学と美術、ここら辺はあまり大差がないのかもしれない。数学を煮詰めると法則の美しさが見出され、美術にのめり込むと星座が浮かび上がるように。
とにかく、部分の中にこそ全体があるという、ある種のフラクタル性を彷彿とさせるこの言葉には元気づけられるものがあります。
フラクタル性ってかっこよくて、これは一部分を拡大してもその全体と似た形があらわれる性質のことで、つまり、特定のスケールに依存しないってこと。固有のスケールをもたないからフレームが無限ってこと。かっこいい〜。だからどこを切り抜くのかってことだよね。

そうか。わたしたちは各人が持つ無限の海のどこかに浮かびながら、同じ星空を見上げて、手で四角をつくって切り抜いてみる作業をしているのか。


…佐治さんの言葉遣いには谷川俊太郎に似た魅力があり、今日はそれを意識して書きました。


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